【期間】
2017年4月4日~4月9日(5泊6日)
【背景】
ハワイは温暖な気候に恵まれ、アクアポニックスの主な作物である葉物野菜やティラピアの収穫が年間を通して見込める。物価は総じて高く、一般にスーパーで販売されている野菜の価格を日本と比べると、平均して2~3倍の開きがある。パートタイマーの人件費は日本と同等かそれ以上であり、より生産性の高い農業が求められている。また、環境保全にも力を入れている。これらを背景として、自治体、民間からのアポニックスへの関心は高く、ハワイ大学を主として継続的に研究が進んでいる。
【総括】
日本にアクアポニックスを広げるため、また、商業システムを日本につくるうえで有益な結果が得られた。新たな知見から仮説の検証が進んだ一方で、新たな課題も生まれたため、さらに検証が必要。また、ハワイの気候、害虫など日本とは生育条件が異なることも考慮を要する。
<野菜>
野菜:リーフレタス、サラダ菜、ネギ、クレソン、ニラ、ミント、ナスタチウムなどの葉物野菜やハーブが中心。なかでもリーフレタスがメイン。実物野菜は、キュウリ、トマト。家庭菜園では、パパイヤなどのフルーツやウコンも育てられている。味は総じて濃く、風味をしっかりと感じた。一部の農園では味の薄いリーフレタスも確認。リーフレタスの食感は若干柔らかく、シャキシャキしている。
<魚>
主にティラピアが育てられている。ナマズも少々。
<システム>
商業システムでは、DWCとNFTが中心。培地(ハワイではハイドロボールではなくCINDERという火山岩を利用)を使うシステムと併用するケースが多い。多くは屋外で栽培されているが、鳥や害虫、雨水(酸性雨)の侵入防止のために屋根をつけている農場もある。露地では夏の日差しが強い時期だけ遮光する。
<育苗・移植>
DWCとCINDER BED:育苗土で育苗したものを移植(育苗土は洗い流さずに移植する農場もある。定期的なシステムクリーニングが発生)
NFT:スポンジで育苗したものを移植
<害虫対策>
ニームオイル、BT剤、コンパニオンプランツ
<追肥>
カリウム、鉄、カルシウムなどを添加
<出荷作業>
収穫された野菜は農場にある加工場で洗浄、必要に応じてカットされ、プラスチック容器及びビニール袋で包装、地元のスーパーやレストランへ。ファーマーズマーケットでも販売される。容器には“アクアポニックス産”、”オーガニック”と記載されているものもある。
<人員>
農場によって、5名~24名体制。
<収入>
経営は成り立っている。魚と野菜の出荷が主な収益源。農場によってはツアー客の受入れを実施($6/名)。初期投資は補助金を活用。
<小型システム>
家庭菜園用に裏庭に設置するだけでなく、NPOが地域で共同管理するシステムを設置する等、活用の幅が広がっている。
Twitter:@aquaponic_s
Instagram:@aquaponic_s
Facebook:@ouchisaien
●アクアスプラウトSV(家庭用キット)
アクアスプラウトSV~さかな畑~
●アクアポニックス講座を受講する
アクアポニックス・アカデミー
●アクアポニックスを本で学ぶ
実践マニュアル本
●DIYで作る
設計図・資材をみる
0 Comment