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循環型ビジネス研修 レポート ー発想力を鍛え、チームワークを高めるー

ビジネス研修

株式会社アクポニ(所在地:神奈川県横浜市、 代表取締役:濱田健吾)は2023年10月、アクアポニックスを活用した企業研修「循環型ビジネス研修」を江ノ島電鉄株式会社様(以下、江ノ電)に実施しました。

企業運営にサステナビリティが求められる中、具体的にどのようなアクションをすれば良いのか悩む企業も増えているのではないでしょうか。「循環型ビジネス研修」はそのような悩みを解決するヒントが得られる講習です。

アクアポニックスを題材に、循環型ビジネスの基礎と循環型ビジネスモデルをつくるための思考法を身につけることができ、サステナビリティの視点を持った新規事業や業務改善のアイデア作りに活用できます。水質検査・野菜の栽培・魚の世話などの共同作業を多く取り入れているため、チームビルディングにも役立つ内容です。

この記事では、研修の様子をレポートします。

当日の様子

サーキュラーエコノミーとアクアポニックス

「国内の食品ロスは、年間何万トンでしょうか」

講師を担当する孫田が、受講生に問いかけます。523万トン、という解答を聞くと、驚きの声があがりました。

現在の経済は、大量生産・大量消費のもとに成り立っていると言われますが、数字でその量を実感することで改めて課題意識が芽生えます。こうした現状を見直そうという動きの中で広まりつつあるのが、サーキュラーエコノミー(循環型社会)の考え方です。聞いたことはあるものの、学んだことがある方は少ないのではないでしょうか。

サーキュラーエコノミーには「廃棄物と汚染を生まない」「製品と原料を循環させ使い続ける」「自然システムを再生する」という3原則がありますが、アクアポニックスはこの原則にぴったりと当てはまる仕組みです。アクアポニックスについて理解を深めることで、サーキュラーエコノミーがどういうものかイメージがしやすくなります。

サーキュラエコノミーやアクアポニックスについて基本から学んでいく

孫田は、アクアポニックスについてこのように説明します。

「アクアポニックスとは、水耕栽培と魚の養殖を掛け合わせた循環型農業です。魚の排泄物を微生物が分解することで植物に必要な養分を作り出し、植物が養分を吸収したあとのきれいな水を魚の水槽に戻すという循環により、魚と野菜を同時に育てることができます。」

「無農薬・無化学肥料・無除草剤を基本とし、水の循環により土耕栽培と比べると80%以上節水できるため、環境負荷を抑えて食物生産ができるシステムです。また、アクアポニックスを中心として新たな循環を生み出すこともできます」

「たとえばアクアポニックスでは、生育環境を整えるために熱を必要とする場合がありますが、供給源として工場などの排熱を活用すれば、熱エネルギーの循環が生まれます。様々な施設や技術と組み合わせることによって、より多くの資源を循環させ、環境負荷を下げることができます」

アクアポニックスやサーキュラーエコノミーに関する知識を学びながら、ポイントとなる部分ではチームでのブレストと意見の発表をおこないました。和やかな雰囲気の中、リラックスして考えを巡らせたり意見交換をしている様子。発表者の1人は、

「人にも、環境にもメリットが多い農法だと思いました。狭い土地でもたくさんの野菜を収穫できるといった話を聞いて、『たくさんの野菜を育てるには広い土地が必要』といった固定観念に気づきました。こうした気づきや新しい考え方が、自分たちの業務にも活かせるのではと感じました」

と話していました。

講義内容について学んだことをチームで共有し合いながら講義が進んでいく

循環型ビジネス〜環境配慮と経済的合理性の両立〜

環境に配慮することは売上に直接はつながらず、余計なコストがかかるという見方もあります。しかし、サーキュラーエコノミーが目指すのは、資源を循環させることで環境保全と経済的合理性を両立することです。孫田はこう解説します。

「農業が今直面している課題として、肥料の高騰があります。円安や海外情勢の影響を受けたものですが、これは農家の収益性を下げてしまう要因になります。こうした現象はあらゆる産業で起こっており、資源を循環させない従来のやり方では避けられないリスクと言えます。」

「一方で循環型ビジネスであれば、このようなリスクを低減できる場合もあります。アクアポニックスの場合は化学肥料や農薬は不要、魚にフンから分解された栄養分をつかって農作物も育つので、外部環境の変化に対応しやすいと言えます」

資源などの投入量を減らしながら、調達ルートを多様化することでリスクを低減できる点が循環型ビジネスの強みです。

「電車がブレーキをかける時に発生する熱も、何か活用ができるのではないか?」

など、受講生のアイデアも膨らみます。

「すでにあるものを組み合わせ、付加価値を付けて収益につながる仕組みが作れたら良いですね。自分に何ができるだろうかと考えるきっかけになりました」

という声もあり、循環型ビジネスは単なる環境配慮ではなく、経済的メリットを生み出す可能性を持っていることを実感した受講生が多かったようです。

アクアポニックスを体験する

水質検査の様子1

水質検査、植物の定植や種まき、魚のエサやりなどを体験します。
水質検査の体験では、pHや水温、水中の物質が、魚や微生物、野菜にどのような影響を与えるかを学びます。水槽から採った水を試験管に入れ、試薬を垂らしてしっかりと振り混ぜると色が変わってpHの測定ができます。グループごとに実際に検査をおこないました。

水質検査の様子2

数名の受講生が試験管を振り、色が変わると周囲から歓声があがりました。振り方が甘いと測定が上手くいかないこともありますが、今回は全員成功しました。受講生は笑顔が絶えず、充実した様子です。

測定の結果も踏まえながら、「野菜の葉が黄色くなったらどう対処するか?」というケーススタディをします。

「水温を上げて、微生物に頑張ってアンモニアを分解してもらえばいいのでは?」
「魚が多いので、数匹減らした方が良いのでは」

など、活発に意見交換がされました。

「これをやれば必ず上手くいく、という正解はありません。部分だけではなく俯瞰した視点が大切で、全体最適で解決策を考えることが大切です」

と孫田は話します。「全体最適が大切」という普段の業務にも通じる内容に、受講生は深くうなずいていました。

アクアポニックス農場での作業体験

定植と種まき、魚のエサやりは2チームに分かれて交互に体験します。チームワークを発揮して定植のスピードをアップさせるなど、盛り上がりながら作業に取り組んでいました。

循環型ビジネスを考える

学びの総まとめとして、自社の強みや課題を振り返りながら循環型ビジネスのアイデアを考えるというワークをしました。

「観光の方が歩く時の重さや振動をエネルギーに変え、イルミネーションを点灯させる電力にできないか?」

「(江ノ電の)沿線の経済を活性化させるには、地域の食材を外へ売ることも大切では。食材を地元で加工することで雇用も生まれるのではないか?」

「(鎌倉の)腰越は良いしらすがたくさん獲れるが、賞味期限が短いので価格が安くなってしまう。それを江ノ電が買い取って瓶詰めなどに加工してPRしていくこともできるのでは?」

グループワークの様子

この他にも、数えきれないくらいのアイデアが受講生から寄せられました。

最終的にチームで1枚のシートにアイデアをまとめます。今回提出されたのは次の3つの案です。

①アクアポニックスを活用して、子どもたちに循環の考え方を教える事業
②ビーチクリーンの団体や駅と連携し、ペットボトルを集め交通事業者向けの制服を作る事業
③他社と連携し、リサイクル素材のビーチサンダルや地元の食材を使って地域の魅力を伝える事業

普段とは違う環境で意見を出し合ったことで、会議室では出てこないような発想がたくさん生まれたようです。研修を終えた受講生の、清々しい表情が印象的でした。

また、循環の仕組みがもたらすメリットを学ぶことで、社会課題を解決しながら収益につながるビジネスが可能なのだと実感なさっていたように感じました。

受講生の声

・今の世界の状況やこの先何が必要なのか等、学ぶことができたと同時に多くの発見がありました。まだまだ知らないことばかりであることを痛感しました。常にアンテナを張り続け、江ノ電と地域のために役立つことを見つけていきたいと感じました。

・当社の事業とこれからの社会に必要不可欠となる循環型ビジネスを掛け合わせて考えることができ、とても良い学びとなりました・サーキュラーエコノミーやSDGsについて聞き及んではいるものの、身近なこととして深く考えたり話し合う機会がなかったので、改めて学びと意識づけになりました。

・単体で物事を考える事では価値には限界がある。だからこそ、様々なモノを組み合わせて上手く循環させることで、今までになかった新たな価値や商品を生み出す事が出来ると感じました。

講師のコメント

参加者のみなさんとの活発なやり取りのなかで、私自身も改めてサーキュラエコノミーの重要性を実感しました。特に、アクアポニックスの持つ「循環」と「全体最適」の視点は、サーキュラエコノミーを理解するうえで非常に有効だと思います。自社の強みや課題を活かした循環型ビジネスとは何か考えることができた、農業体験では生態系を意識する貴重な経験になったなどの感想をいただき、私も非常に嬉しかったです。この研修を通して、より多くの方に循環型ビジネスを学んでもらい、持続可能な未来を作るための一歩を促進するきっかけとなれば嬉しいです。

研修の詳細・お申し込みについて

「循環型ビジネス研修」は、参加者同士がコミュニケーションをとりながら循環型ビジネスを体系的に学び、アイデアを引き出すことができる講座です。

【キャンペーン】

サービスリリースを記念して、年内お申し込みの方限定で20%OFFの特別価格にて受講いただけます。この機会にぜひお申し込みください。

【次のような方におすすめ】

・自社の理念や強みを活かしながら、循環型ビジネスやSDGsに関わる新規事業を立案したい方
・循環型ビジネスやSDGsに関わるビジネスに対する理解を深めたい方
・新規事業やビジネス戦略立案ができる人材を育成したい方
・社員のコミュニケーションや共創力を向上させたい方

【研修概要】

・開催場所:神奈川県藤沢市(アクポニ自社農場にて開催)
・開催日数:1日(講習2時間、農業体験2時間、グループワーク2時間の計6時間。
・時間帯:10:00〜17:00(昼休憩1時間含)
・通常価格:5〜10名/25万円(税込)、11名~20名/40万円(税込)
→キャンペーン価格:5〜10名/20万円(税込)、11名~20名/32万円(税込)
・お申し込み:https://aquaponics.co.jp/business-training/

※受講希望日の1ヶ月前までにお申し込みください
※お申し込み後、オンラインにて研修目的についてヒアリングを実施します
※最少催行人員5名、20名以上応相談
※キャンペーン条件:2024年1月31日までにお申込みの法人のお客様

<お知らせ>
株式会社アクポニでは、無料のアクアポニックス説明会を実施しています。
アクアポニックスの仕組みや活用事例など、まずは情報収集をしたいという方におすすめです。
ぜひお申込みください。

日時:毎週水曜・土曜 10:00~11:00
形態:オンライン(水曜)または弊社農場(土曜)

農場見学
神奈川県藤沢市にある試験農場と生産農場を同時に見学できます。
農場見学について

アクアポニックス・アカデミー
日本初のアクアポニックスについて基礎から応用まで体系的に学ぶことができる学校。
アクアポニックスを学ぶ

オンラインショップ「おさかな畑」
家庭用キットやアクアポニックスに必要な資機材を販売中
おさかな畑HP
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