数百ページに及ぶ研究論文を全ページ無償で公開しています。英文ですが、今後の日本のアクアポニックス発展に大きく役に立ちますので、是非一読ください。今回は一部抜粋してご紹介します。
論文名:Aquaponics and Global Food Challenges
世界食糧危機とアクアポニックス その3
前回からの続き。
ー経済的・社会的挑戦ー
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付加価値の付け方
- 収穫野菜(魚含む)の加工が大事
- フードロスの削減
- 日持ちする加工(瓶詰や冷凍加工)で需要・供給に振り回されない。
- 収穫直後で始まる栄養素の劣化を食い止める。
- 上記の様な加工食品に対して需要がありそうなニッチな市場を攻めるべき。
- 収穫物の加工例
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ペストソース(トマト、バジル、オリーブオイル、松の実)
- 欧米では素材単体で販売するより高い価格で販売できる良い例としている。
- 収穫野菜(魚含む)の加工が大事
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物流と場所
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フード・マイレージ(生産地から消費地までの燃料費)削減は物流が成熟した日本では大したメリットは無い。
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(参考までに)1トンの生産物を1マイル移動させる際に発生する二酸化炭素量
- 鉄道:13.9g
- トラック:鉄道の15倍、約200g
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(参考までに)1トンの生産物を1マイル移動させる際に発生する二酸化炭素量
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人口減少中の都市部は都市併設型のアクアポニックス設置が好ましい。
- 収穫直後の生産品を即消費することが最大限の価値創出とした場合、都市併設型のアクアポニックスは魅力的な設計である。
- 人口減少中の都市部は空き地、空きテナント等が増えるため、必然的に地代などが現実的な価格に見合う。
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フード・マイレージ(生産地から消費地までの燃料費)削減は物流が成熟した日本では大したメリットは無い。
ーこれからのアクアポニックスー
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行政の問題
- 日本以外の国でも農業と漁業の区分が曖昧なアクアポニックスは行政上の立ち位置で混乱が生じている。
- 行政や立法府対して、アクアポニックスが認められるための働きがけが必要となる。
- EUは“EU Aquaponics HUB”という名のロビー団体が結成され政治的な活動を行っている。
- この論文も“EU Aquaponics HUB”の支援を受けて発刊された。
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“EU Aquaponics HUB”が定義するアクアポニックスは以下の通り。
- 「水生生物への給餌から生じる栄養素が植物の育成上、必要な肥料分の大部分を占める育成機構」
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消費者に対する保証の問題
- 認証や保証はニッチな消費者へのアピールに不可欠となる。
- 魚のフンで育つ植物の安全性の宣伝は重要となる。
- 米国と豪州ではアクアポニックスはオーガニック認証を受けている。
- 欧州ではオーガニック認証は認められていない。(2020年時)
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新しい活用法
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土地の有効活用(価値創出)
- 建物の屋上、廃工場、廃校など
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教育への取り入れ。
- STEAM教育の一環として自然科学、化学、生物学、物理学、動物学を同時に学べる
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刑務所・収容所での活用
- 受刑者への職業訓練として活用されている(サンフランシスコ刑務所)
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鑑賞目的
- オフィス内に鑑賞用の魚を用いて観葉植物を育成する方法も用いられる。
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土地の有効活用(価値創出)
<参考文献>
Simon Goddek, Alyssa Joyce, Benz Kotzen, Maria Dos-Santos, “Aquaponics and Global Food Challenges”, Aquaponics Food Production Systems, 2019, 3-17, https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-030-15943-6_1, (参照2023-01-10)
株式会社アクポニについて
「アクアポニックスで人と地球をHAPPYに。」をビジョンに掲げる、日本初のアクアポニックス専門企業です。よりよい形で資源が循環する社会を目指し、生産者とともに食の生産流通を変革するための製品開発を行っています。
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アクアポニックス・アカデミー
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