こんにちは!ハワイでアクアポニックス研修中の大竹です。
ハワイのアクアポニックス農場では主にティラピア(いずみ鯛)やナマズを養殖しています。ティラピアは、成長の早さ、低コスト、育てやすさ、繁殖の容易さ、そして味の良さ。海外ではどれをとっても評価の高い養殖魚です。
アクアポニックスにも大変向いていて、とても美味しい野菜を育ててくれます。
日本でもつい先日、イオンさんが販売開始したとのこと。海外では一般的に食べられているティラピアですが、果たして日本に根付くのか注目ですね。
さて、今回は、ティラピアについて。実食含めたレポートです!
<ハワイにおけるティラピアの需要>
アクアポニックスでは野菜と魚を同時に生産でき、どちらも収入源にすることができます。しかし私が働くili’ili farmではティラピアを養殖してはいるものの魚の販売は限定的で、野菜が農場の収入の大部分をしめます。
その理由はハワイの消費者の意識によるところが大きいです。ハワイは美しい海に囲まれており、ロコ(ハワイで生まれ育った人)はマグロやカツオなど海の魚を日常的によく食べています。
特にメジャーなのが「ポケ」と呼ばれる、生の魚を使った料理。魚の切り身に醤油、ごま油、塩、長ネギ、玉ねぎなどを加えてあえたもので、スーパーマーケットでは必ず売られている地元の人に人気の料理です。
ティラピアは汚い!?
一方で、内陸を流れる河は周辺の美しい海に比べ汚いと思われています。ティラピアはそのような河に生息しているため、ロコの人たちにとってあまり好ましい存在ではないようです。
スーパーマーケットでは安い単価で販売されてはいますが、ili’ili farmでは販売してもさほど利益につながらないことからスーパーには出荷していません。
中華料理店に売れる!
しかし、ハワイでもティラピアの需要はあります。それは中華料理店です。ハワイに住む中華系の人や観光客がティラピアをよく食べることから、ili’ili farmでは中華レストランに直接販売をしています。
ティラピアは中華レストランに生きたまま出荷され、店舗の水槽に入れられます。ティラピアは調理される直前に水槽から揚げられるため、新鮮なのことも人気の理由とのこと。
ili’ili farmで育った魚はサイズも大きく、健康的であることから単価も高く設定されています。
<ティラピアの実食>
ではティラピアはどういった味なのでしょうか。ティラピアは和名「いずみ鯛」とも呼ばれ、今上天皇が食糧事情が厳しいタイに養殖魚として提案したことでも有名です。
そんなティラピアですが私達の食卓ではあまり馴染みのない魚。あまりおいしくないとか、臭みがあるとも言われているようです。。
40cmの巨大ティラピアを料理
それでも自分でティラピアを食べずには何も始まりませんので、実際に食してみることにしました。今回いただくのは40㎝ほどもある大きなティラピア!
重量は1kgくらいあるでしょうか。
ティラピアのソテーのレシピ
ハワイの友人から、ティラピアを調理する前に冷凍すると美味しく食べられると聞いたため、その通りにしてみました。作る料理はティラピアのソテーです。レシピと材料は次の通り。
〇ティラピア:半身
〇小麦粉:適量
〇ニンニク:1片
〇塩:少々
〇コショウ:少々
味付けはシンプルに塩コショウ、ニンニクです。
まず、一晩冷凍したティラピアを解凍します。解凍したティラピアの内臓を取り出し、三枚おろしにします。
半身を食べやすい大きさにカットし、塩ふりかけ1時間ほど冷蔵庫へ。
フライパンに油をひき、ニンニクを入れ香りをつけます。1時間おいた切り身に小麦粉をまぶし、フライパンできつね色になるまで焼き、コショウを振りかければ完成です。
とても美味しい!
付け合わせの野菜はアクアポニックスで育ったレタスと空心菜に、農場に生えているパパイヤを利用しました。
実際の味はというと、ほとんど無味に近く臭みは全くありません。それ以上に肉厚で触感が非常によく、大変美味しくいただけました。海水魚の白身魚と比べてもそん色は無いと思います。
ティラピアの蒸し焼きのレシピ
次は残りの半身を使ってもう一品作ります。
作るのはティラピアの蒸し焼き。これは中華レストランの人に教えてもらった料理です。材料は次の通り。
〇ティラピア:半身
〇しょうが:少々
〇醤油:少々
〇パクチー:お好みで
作り方は非常に簡単です。先ほどのティラピアの半身を食べやすいサイズに切り、千切りしょうがをのせて蒸すだけ。火が通れば完成です。味付けは醤油を少しかけるだけで十分です。
パクチーも農場にあったため、付け合わせで使いましたがこちらはお好みで。パクチーの代わりに長ネギなどを添えても良いと思います。
さて、こちらのお味はというと、ものすごく身が柔らかくなり、ソテーで食べた時よりもふわふわな触感になりました。
また、ティラピアの油がジューシーでありながらサッパリしていて、こちらもシンプルですが美味しくいただけました。
感想
実際にティラピアを食べてみて感じたのは、ティラピアは食に適した魚であるということです。身の味があまり無いということはクセがないことでもあり、シンプルな味付けで十分美味しくなります。煮つけや鍋にしてもいいかもしれません。
アクアポニックスでは通常の養殖のように魚に抗生物質やワクチンなどを使わずとも、健康的な魚を育てられることがわかりました。
海洋資源の減少や海中のマイクロプラスチックが問題となっている昨今、持続可能な漁業としてアクアポニックスでティラピアを育てることは、環境保護とともに新鮮で安全な魚を手に入れることができる非常に有用な手段だと思います。
そのうえで野菜も魚も美味しくいただけるのがアクアポニックスの魅力の一つだと、ティラピアを食して感じさせてもらいました。
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