新年のご挨拶【アクポニの取組をまとめて報告します】

お知らせ

√この記事を書いている私の経歴

・Amazonを辞めて株式会社アクポニを起業
・自社のアクアポニックス研究農場&生産農場を神奈川県藤沢市に開設
・収穫量が7倍以上、LED電気代が半額になる縦型栽培システム「水耕タワー」を発売
・世界で初めてアクアポニックスに特化した生産管理アプリ&センサーをリリース
過去2年間で30以上のアクアポニックス農園を全国に開設(日本最大規模を含む)
・著書:「はじめてのアクアポニックス」

2023年、明けましておめでとうございます。

昨年もなんとか駆け抜けることができました。関わっていただいた皆さま、そして新しい出会いと出来事に、心から感謝します。ありがとうございました。

なかなかお会いできない方もいて、ちゃんとお話もできていないので、年が明けた節目に振り返りと今年の抱負も兼ねて、近況を報告させてください。

2022年の振り返り

数えてみると昨年アクポニは40もの取材を受けていました。テレビも11番組に出演。9年前に起業した頃は「アクアポニックス」とググっても何も出てこず、なんとか知ってもらおうと半年間ほぼ毎日(英語記事を日本語訳して紹介する)ブログを書いていました。ここ数年で認知度が上がってきたことは本当に嬉しく思います。

一方で「アクアポニックスで地球と人をHAPPYに」というミッションの実現に程遠い現状に「自分が生きている間に何か遺せるのか」という危機感、焦燥感を感じ続けた1年でした。

自分の未熟さゆえに何度も足踏みしてしまいましたが、気持ちだけは前進しようと1日24時間ベストを尽くすことだけは続けられたと思います。

この理想と現実の間で身を焦がすような生活はこの先も変わることが無いのかもしれませんが、実現したい理想へ向けて生きることには大きな幸せを感じており、この先も邁進していきたいと思います。

僕たちが考えるアクアポニックス

僕たちはアクアポニックスを「循環をつくるツール」だと捉えています。その場所に循環があることで使える資源やエネルギーが増え、その増えた分だけ環境負荷が減る。このことがアクアポニックスの本質だと考えています。

・単に農作物を生産するだけでなく、各種ビジネス(農福連携、インバウンド、教育、地域コミュニティ等)と組合わせる。
・廃熱利用、昆虫飼育、水素エネルギー、副産物活用など第2、第3の新たなループを加えて循環の環を大きくしていく。

これらによって既存の生産や流通を変革し、人や地域に還元していきたいという想いがあります。

まだまだ想いだけが先走って恥ずかしい状況ですが、すべてはこれからの僕たち次第です。社会情勢の後押しも感じており、アクセルを踏み続けたいと思います。

近況

日本においては、アクアポニックスの関係人口が急増するなか、弊社も「教育」「農園施工」「生産」「流通」の4つの部門で情報が循環、継続的に進化する組織体制とし、それを生産者に提供して共に成長していくことに注力しています。

教育

日本初で唯一のアクアポニックスを学べる学校「アクアポニックス・アカデミー」を2023年3月からリニューアルします。

座学が中心だったものを、アクポニ直営の2つの農場での実習を通して、実践に必要な野菜や魚の生産管理を学べる形にしました。システムの設計・施工、ビジネスモデル開発なども加わり、希望に応じて選択できる幅広いカリキュラムになっています。

僕たちは経験や技術を囲い込まず、アクアポニックスが広がることに喜びを感じます。
(アクアポニックスに取り組む個人や企業がともに学び、つながり、課題を解決するコミュニティもつくりました)

開発する商品やサービスの根底にはそういった想いがあり、その一つがアクアポニックス・アカデミーです。これは2016年から続けており、300人以上の卒業生が日本各地で活躍しています。日本のアクアポニックス・シーンを牽引しているサービスの一つだと自負しています。

また昨年は渋谷にある実践女子学園中高において1年間のアクアポニックス授業もはじまりました。このような先進的な取組に協力できることには感謝しかありません。子供たちと楽しんでいます笑。

最後に、教育分野では家庭用キットもリニューアルしました。「スクエア」「レクタングル」の2つのタイプを発売。より多くの方にアクアポニックスを体験いただけるよう価格も下げることができました。恵比寿ガーデンプレイスにある体験型ホームセンター「DCM DIY place」にて展示販売しています。

農園施工

過去2年間で30以上の農園を日本各地につくってきました。

弊社では「収穫量を上げる」「循環をつくる」うえでの困り事を解決する2つの特許技術を取得し、より広いニーズに応えられるようになりました。

加えて、生産管理アプリの提供も開始することができ、IoTセンサーとスマホで生産管理に必要なデータの一元管理が可能となりました。今後は蓄積されたデータを活用し、さらなる開発改善と、国内外におけるアクアポニックスの普及を目指します。

データ管理は必須ですが、僕たちが同じくらい大事にしているのは、お客様と一緒になって「アクアポニックスをツールとして何をするか」を決めることです。社内では「循環ビジネス構築支援」と呼んでいます。

最終的な目的(ゴール)を明確にし、その第一歩として農園づくりをしますが、その仕様や規模はお客様の潜在的なニーズを掘り起こして提案するようにしています。都市農業で有効なアクポニハウスまたはスモールスタートからはじめることが多く、1年~2年の実証を経た後に農園拡張する事例がちょうど出始めてきたところです。

昨年末には2つの日本最大規模の農園づくりに関わることができ、これから更に大規模農園が増えていく見込みです。

生産

アクポニは神奈川県藤沢市に自社の試験農場生産農場を分けて保有しています。(毎週水曜と土曜の午後に見学会を開催中です)

現在は、葉物野菜やハーブをメインに、チョウザメ、ティラピア、モロコ、鯉、ニジマスを育てています。植物園と水族館が合わさったような空間です笑。

現在は特にイチゴとバラの試験栽培に注力しています。太陽光型、完全閉鎖型ともに、国内外からのニーズが高く、より単価の高い品種を安定生産することを目指しています。

品種だけでなく、乾燥地域(世界陸地の40%が乾燥地で世界人口の35%がそこに住む)におけるアクアポニックスの有効活用もテーマの一つです。

流通

現在最も強い課題意識を持っている分野です。試行錯誤の段階ですが、種を撒き続けているので、実を結びはじめた頃に改めて報告させてください。こちらはどちらかというと消費者向けの施策になります。その時にはぜひ応援いただけたら嬉しいです。

感謝

日本はまだまだアクアポニックスが定着しているとは言えません。アクポニもまだアクアポニックスの課題をすべて解決する会社になっていませんが、未来は僕たち次第だと思っています。

農業では資材一つを評価するのに、工業だと一瞬で終わるものが1年以上かかることもあります。匠の技術は殆どが人の頭のなかにあって使えるデータとして残されていません。生物学的メカニズム(特に微生物)は未解明なことばかりです。。

新しいものを創り、広めることがこんなにも難しいものだと心底理解したうえで、今が面白く、楽しく、本気になれていることに改めて感謝したいと思います。

今年もベストを尽くします!

昨年は身の丈に合わないほど新規事業を手がけましたが、幸い1~2つは芽が出そうです。実を結ぶところまできちんと育てあげ、懲りずに更に多くの種まきをしていきたいと思います笑。

書き始めたら長くなってしまいました。長文失礼しました。

今年も1日1日ベストを尽くしますので、応援いただけたら嬉しいです。
引き続き、アクポニをよろしくお願いいたします。

株式会社アクポニ
代表取締役 濱田健吾

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    日時:毎週水曜・土曜 10:00~11:00
    形態:オンライン(水曜)または弊社農場(土曜)

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