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アクアポニックスに使える培地の種類【ハイドロボールが最適です】

研究開発

アクアポニックスをはじめたい人

「アクアポニックスをはじめたいけど、どういった培地が使えるんだろう」
「そもそも、培地の購入先がわからない」
「培地を使う上での注意点とかあるのかな」

この記事では、こういった疑問に答えます。

√本記事の内容

● 培地の役割【3つ】
● ハイドロボールが最適な理由
● ハイドロボール以外の培地

√この記事を書いている私の経歴

・Amazonを辞めて株式会社アクポニを起業
・自社のアクアポニックス研究農場&生産農場を神奈川県藤沢市に開設
・収穫量が7倍以上、LED電気代が半額になる縦型栽培システム「水耕タワー」を発売
・世界で初めてアクアポニックスに特化した生産管理アプリ&センサーをリリース
過去2年間で30以上のアクアポニックス農園を全国に開設(日本最大規模を含む)
・著書:「はじめてのアクアポニックス」

アクアポニックスに使える培地の種類【ハイドロボールが最適です】

培地とは、土の代わりに用いるもので、一般的には「ハイドロボール」と呼ばれる無機の培地が使われます。

土は有機物なので腐食して水質を変えてしまうため、無機物の培地を使うわけです。


ハイドロボールとは:
粘土を丸めて高温(1000度以上)で焼いたもの。穴がたくさんあり多孔質。

まずは培地の役割について説明します。

培地の役割【3つ】

培地の役割:

①微生物の住処となる→アンモニアを硝酸塩へ(生物ろ過)
②食べ残しやフンなどのゴミを除去して水をキレイに保つ(物理ろ過)
③植物が根を張って体を支える

①と②は“ろ過”、すなわち水をキレイにする役割です。アクアポニックスにおいて非常に大切な機能です。

通常、培地は多孔質なものを用いますが、その理由は、小さな穴のなかに微生物が住みつきやすくするためです。

培地は微生物の家なのですね。

これら微生物がアンモニアを、植物の栄養となる“硝酸塩”へと分解してくれます。これを“生物ろ過”といいます。

また、培地そのものはフィルターの役割を果たし、水のなかのゴミを除去してくれます。これを“物理ろ過”といいます。

培地システムでは、単に培地に水を通すだけで、生物ろ過と物理ろ過の2つを行ってくれるのです。

(培地を使わない)水耕栽培システムでは、別で「生物ろ過槽」と「物理ろ過槽」を外付けする必要があるので、培地システムは、水耕栽培システムに比べて構造がシンプルになり、自作(DIY)もしやすくなる、という利点があります。

【補足】
安定したろ過能力を維持するためには、フィルターの定期的な洗浄が必要です。
そのため、大規模農場を検討する場合には培地システムはあまり向いていません。
(培地を定期的に取り出して洗うという作業は、現実的ではありませんよね)

また、植物が培地に根を張れるので、背の高い植物も育てることができます。つまり、培地を使うと、育てられる植物の品種が増えます。

例えば、トマトやトウモロコシは、水耕栽培では(根が張れないので)倒れてしまいます。これが培地なら(時に支柱なども使って)育てることができます。

※通常水耕栽培システムでは背が低くて倒れない葉物野菜を育てます。

培地システムで育つパパイヤの木
培地システムで育つスイスチャード
アクアポニックスで育てられる植物については、こちらに詳しく書いています。
参考≫アクアポニックス野菜の種類【完全版】ハーブから観葉植物まで<29種類>

ハイドロボールが最適な理由

結論から言うと、培地はハイドロボールが最適です。
実際に僕らも農場で様々な培地を試してきましたが、ハイドロボールに勝るものがないといった状況です。

理由は、アクアポニックスの培地には次の条件があり、この条件に当てはめていくと、やっぱりハイドロボール!となるのです。

培地選びの条件:

● pHに影響を与えないもの
● 腐食しないもの
● 適当なサイズ(直径0.8〜1.5cm)
● 微生物の住処となる多孔質のもの
● 崩れずに丈夫なもの

大理石や石灰岩はpHを上げるため避けます。また、土、ピートモス、木片、ココナッツの皮などは腐敗して水質を変えてしまうため使えません。

そのほかには溶岩や軽石なども使われますが、粒サイズが小さすぎて収穫時に根から取り除くのが大変だったり、使っているうちに崩れてしまい、配管の詰まりやポンプ故障の原因になったりします。

ハイドロボール以外で使用できる培地

ハイドロボールが最適ではありますが、もちろんそれ以外にも使用できる培地はあります。
いくつか紹介しますね。

砂利

砂利、小石

砂利5-10mm 20kg(11.7L) 2,280円
オーストラリアなどで使われています。価格が安いのが最大の利点。粒サイズが均一でないこと、さほど多孔質ではないこと、非常に重いことが欠点です。

ボラ土(日向土)

ボラ土

日向土 小粒 14リットル 2,842円
宮崎県で採取される軽石の一種。日向土とも呼ばれます。水はけがよく、多孔質です。使用したことは無いですが崩れにくいようでしたら可能性を感じます。事前の水洗いは必須です。

セラミック(陶器や瓦のチップ)

瓦チップ

瓦チップ ブラウン(5-10mm) 15kg(13.6L) 2,280円
リサイクル素材として流通しています。粒サイズが均一でないこと、崩れやすいことが欠点です。

溶岩(シンダー)

溶岩の培地で育つ野菜

溶岩砂利 ブラック (9~12mm) 20kg 3,400円
主にハワイで使われています。こちらも崩れやすいことが欠点です。

防犯砂利(天然石)

防犯砂利(ガラス製)

防犯砂利 20kg 天然石 4,700円
ガラス製の防犯砂利は繊維のような細いガラスが手に刺さるのでお勧めしません。天然石製は使えますが、砂利と同様非常に重く、粒サイズが角ばっていたり大きすぎる等から作業性が悪くなることが欠点です。

まとめ

後から培地を交換するのは大変なので、アクアポニックスの培地は、最初からハイドロボールを使うことをお勧めします。皆さんいろいろと試しますが、結局ハイドロボールに戻ってくることが多いです。

国産の高品質なハイドロボールを業界最安値で販売しています。

20L入り袋 3,480円(送料込)または1000L入り袋 38,000円(送料別)でお届けします。※水洗い不要の洗浄済タイプもあります。

ハイドロボールの購入はこちら

1L当たりの価格【参考】

瓦チップ    168円
溶岩      170円
ハイドロボール 174円
砂利      195円
ボラ土     203円
防犯砂利    235円

ただ、ハイドロボールにも欠点があります。
使用する前に軽く水洗いが必要なこと(全ての培地は水洗いが必要です)、少し価格が高いことです。

これまで価格が高かったのは、ドイツなど海外から輸入していたから。

できるだけお求めやすくなるように国内生産に切りかえ、水洗いしなくても済むように洗浄済タイプも作りました。

よかったら検討してみてください。

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