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【論文紹介】世界食糧危機とアクアポニックス Aquaponics and Global Food Challenges 1.2

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海外にはアクアポニックスに関する研究論文を多く見つけることができます。今回ご紹介する論文は世界的に著名なアクアポニックス関連の研究者達が世界規模の飢餓救済のために無償で編纂及び公開している論文集、【Aquaponics and Global Food Challenges】
数百ページに及ぶ研究論文を全ページ無償で公開しています。英文ですが、今後の日本のアクアポニックス発展に大きく役に立ちますので、是非一読ください。今回は一部抜粋してご紹介します。

論文名:Aquaponics and Global Food Challenges

世界食糧危機とアクアポニックス その2

今回も論文 S. Goddek氏の世界的食糧危機に対してのアクアポニックスの有用性についての続きです。アクアポニックスが将来の食糧危機に対していかに有用な対抗策なのかを、国連のFAO(国際連合食糧農業機関)の提唱する数値を用いて説明してあります。原文を元に箇条書きに直しました。要点のみを取り上げていますので、興味が湧きましたら是非、原文も読んでみてください。

    将来の食糧危機:2050年の予想人口だと既存の耕作面積は足りなくなる

    • 開発と耕作不適地の拡大の影響で1970年から2013年にかけて耕作地が50%以上減少した。
    • 現状は自然林の伐採などを行なって開墾している。
      • 原生林の減少のみならず、生態系の喪失にも繋がっている。
      • 土がやせ細る
        • 土の掘り起こしにより、風雨による表土流出
        • 過剰の施肥による土壌菌の減少
     

    アクアポニックスの科学的・技術的挑戦

    • 植物が必要とする栄養素と魚の排泄物からの栄養素とでは、構造上、植物にとっては吸収されにくい。
    • 特に水中内のリン、マグネシウム、鉄、マンガン、硫黄は植物にとって吸収できない形になっている。(例:鉄3価など)
    • 旧来のアクアポニックスだと、魚と植物にとって最良の環境を用意することができない。(pH等の最適環境は微妙に違う)
     

    上記の解決策

    • デカップルシステム(魚の飼育水と植物栽培用の養液とを切り離し、飼育水の水が養液にのみ流れていく構造)を用いる事によって、中間に生物鉱化槽を挟み、上記の不足栄養素を植物にとって吸収できる形に作り変えることができる。
      • 例)微生物によってリンをリン酸塩に変える。

     

    解決策に繋がる各論文(Chapter)の概要

    • Chapter_02:病害虫に対してのデカップルシステムの優位性を説明している。また魚にとっての有益菌は植物にとっても有益である理由も説明している。
    • Chapter_05:土地面積の有効な活用方法、最小限のInputと最大限のOutputを生産する方法、廃水を極力抑える方法、抗生剤と農薬の使用抑制させる方法が説明されている。
    • Chapter_08:アクアポニックスでの水と栄養素の効率化
    • Chapter_09:窒素の循環についての説明
    • Chapter_10:好気性と嫌気性環境下での生物鉱化について。
    • Chapter_11:デカップルシステムを構築する上で必要な魚と野菜の生育数の比率、栄養素の確保、流量、ランニングコストを説明している。
    • Chapter_12:太陽光を活用したエネルギー(電力と熱源)と脱塩方法を乾燥地域で活用する方法を示している。
    • Chapter_13:アクアポニックスでの最適な餌
    • Chapter_14:アクアポニックス下での植物の疫病とその管理方法
     

    上記Chapterを読み解く事で以下の3要素を活用できる

    • 栄養素
      • 汚泥を分解させる場所(生物鉱化槽)を設けることでシステム外への栄養素流出が限りなくゼロに抑えられる。
      • デカップルシステムであっても、本来なら1方向の水の流れを(飼育槽から栽培槽)蒸留と還元で再利用する(栽培槽から飼育槽)事ができる。
    • エネルギー
      • 太陽光と太陽熱を用いれば、循環エネルギーと水温維持に役立てる。

<参考文献>
Simon Goddek, Alyssa Joyce, Benz Kotzen, Maria Dos-Santos, “Aquaponics and Global Food Challenges”, Aquaponics Food Production Systems, 2019, 3-17, https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-030-15943-6_1, (参照2023-01-10)

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