導入コンサルテーション
アクアポニックスは水耕栽培と培地システムどっちがいいの?【特徴解説】
導入コンサルテーション
アクアポニックスのシステムを作りたい人
「アクアポニックスを作りたいけど、水耕と培地でどちらのシステムが良いのか知りたい。」
「設置業者や栽培キットについて教えてほしい。」
「そもそも水耕栽培と培地栽培はどう違うの?」
こういった質問に答えます。
√本記事の内容
● 水耕栽培と培地栽培システムの違い
● 水耕栽培システム(NFTとDWC)の違い
√この記事を書いている私の経歴
・自社のアクアポニックス研究農場&生産農場を神奈川県藤沢市に開設
・収穫量が7倍以上、LED電気代が半額になる縦型栽培システム「水耕タワー」を発売
・世界で初めてアクアポニックスに特化した生産管理アプリ&センサーをリリース
・過去2年間で30以上のアクアポニックス農園を全国に開設(日本最大規模を含む)
・著書:「はじめてのアクアポニックス」
アクアポニックスは水耕栽培と培地システムどっちがいいの?【特徴解説】
今回はアクアポニックスの基本的なシステムについて解説します。
これを読めば、システムの種類と特徴について理解できるので、用途・目的に応じて最適なシステムを選択できるようになります。
アクアポニックスで事業化を検討している方、キットを自作してみたい方、新規就農を考えている方は、必読です◎
参考≫アクアポニックスに使える培地の種類【ハイドロボールが最適です】
まずは、アクアポニックスの基本システムを紹介します。
アクアポニックスの基本システムは3つだけ
各々のシステムの特徴を、分かりやすく一覧にまとめました。
アクアポニックスのシステムは、大きく水耕栽培と培地栽培の2つに分かれます。
さらに水耕栽培はNFTシステムと、DWCシステムの2つに分かれます。
※実際は培地栽培も細分化されますが、ここでは分かりやすくまとめて解説します。
正式名称はこちらです
NFT: Nutrient Film Technique(薄膜水耕)
DWC: Deep Water Culture
水耕栽培と培地栽培システムの違い
まずは水耕と培地の違いについて説明します。
水耕栽培とは、培養液(化学肥料を水に溶かした養液)のみで作物を栽培する方法です。培地を使用しないため、根が常に水中にあるという状態になります。廃棄物を削減できることが大きなメリットです。
培地栽培とは、正確には固形培地耕といわれます。ロックウール等の無機物やピートモス、ヤシ殻等の有機物を成形した固形培地に苗を植え付けます。もちろん、それだけでは栄養がないため、培養液を潅水して育てます。
もちろん、アクアポニックスの場合は化学肥料を使いませんが、水耕栽培でも培地栽培でも野菜を育てることは可能です。
では、表の赤枠内を見てください。
水耕栽培が商業用(農業)で用いられる一方、培地栽培は趣味用(教育や園芸介護など含む)で用いられることがわかります。
その理由は、培地システムには拡張性が無いためです。
水(水耕)とハイドロボール(培地)を比べると、水のほうがずっと安価なので規模を大きくしやすいのです。
育てられる野菜の種類は、培地栽培のほうが多くの品種を育てられます。これは植物が培地に根を張ることで自分の体を支えることができるためです。
具体的には、葉物野菜、ハーブ、実物野菜などを育てることができます◎
一方、水耕栽培システムでは、一般的に背が低くて倒れないリーフレタスやハーブなどの葉物野菜を育てます。
参考≫アクアポニックス野菜の種類【完全版】ハーブから観葉植物まで
培地システムは、拡張性こそ劣るものの、小さい規模なら製作が容易かつ費用も安価です。これは、生物ろ過槽、物理ろ過槽が不要なためです。
※水耕栽培システムでは、別で「生物ろ過槽」と「物理ろ過槽」を外付けする必要があります。
まとめると、趣味用では、多くの品種が楽しめて、費用が安価、製作も容易な、培地システムをお勧めします。
一方、商業用では、拡張性に優れて規模を大きくしやすい水耕栽培システムを採用します。
水耕栽培システムには、NFTとDWCの2つのシステムがあるので、次はこれらの特徴について説明します。
水耕栽培システム(NFTとDWC)の違い
DWCとNFTはどちらも水耕栽培システムですが、システムの構造に違いがあります。画像を見てもらうと分かりやすいです。
DWCがプール(のようなもの)に浮かべたラフトの上で野菜を育てる一方、NFTはパイプや樋に水を薄く流して野菜を育てます。
一番の違いは、NFTは構造が複雑なので、その分製作に要する時間およびコストが増すことです。
加えて、NFTは野菜ベッドに流れる水量がDWCと比べて少なく軽量なので、多段式にする場合や、建物内に設置する際に積載荷重に触れそうな場合は、NFTを選択します。
またNFTは(水量が少ないので)水温調整に要する電力も少なくて済みます。
※逆にDWCは(屋外や温室の場合)台風などでも飛ばされず温度変化が少ないエリア(沖縄などの台風が通る年中暖かい地域)により向いています。
収穫しやすさ、清掃しやすさは、あくまで実体験ですが、DWCのラフトは重たいです。。
分かりやすいように、DWCシステムを用いた収穫作業を簡単に書くと下記となります。
①(腰を曲げて)ラフトを持ち上げる
②台に乗せる
③収穫
④ラフトを洗浄
⑤植え付け
⑥ラフトを野菜ベッドへ戻す(持ち上げた場所とは逆側に戻します)
NFTだと(素材や構造にもよりますが)樋は比較的軽く、腰を曲げることも無いので楽です。洗浄もラフトより早く終わります。
まとめると、DWCとNFTの違いは、まず初期投資や(多段式にした場合)同じ面積での収量の違いが大きいです。
水温調整の電気代にも影響します。作業性も大事なので判断の参考としてください。
※(追記)弊社では縦型のNFTシステム「水耕タワー」を開発しました。平段と比べて収穫量が7倍以上となり、作業性にも配慮されたシステムです。
まとめ
今回はアクアポニックスの基本システムについて紹介しました。用途や目的に応じて選択しましょう。参考になればうれしいです。
弊社では用途、予算に応じて最適なシステムを施工します。設置場所はビニールハウス内および建物内どちらでも対応しています。独自開発したアクアポニックスに特化した生産管理アプリとセンサー、カメラを活用して施工後のサポートも充実していますので、まずはお問合せください。
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日本初で唯一のアクアポニックスを学べる学校「アクアポニックス・アカデミー」に新たに農場実習が加わりました!3カ月でアクアポニックスのプロへ!2024年9月生を募集中!詳細、お申込みはこちらブログを更新したらTwitterとFacebookで通知します。アクアポニックスのノウハウや農場の様子も発信中。フォローください!
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