アクアポニックス・アカデミー DAY5

代表ブログ

きょうはアクアポニックス・アカデミーのDAY5でした。

テーマは、『ビジネスとしてのアクアポニックス』

<目的>
ビジネス面からアクアポニックスの可能性を理解して次の行動に生かす。
第1部:市場動向と主な企業(世界と日本)
第2部:世界の成功事例
第3部:特別講義「有機農業とアクアポニックス」

DIY講座(オプション)を除くと、今回が最後の講義となります。いよいよ第1期生の卒業です!

アクアポニックス先進国

オレンジ・・・アクアポニックス先進国    青・・・アクアポニックス準先進国

アクアポニックスは、アメリカのバージン諸島やハワイ、またオーストラリア南部の大学において研究開発が盛んに行われています。共通するのは「慢性的に資源や水が不足している地域の課題解決として、現地のニーズを背景に発展してきた」ということ。

国連やNGOもその有用性に着目して、紛争地域や最貧国での普及を後押ししています。しかし、この時点では一部を除き、まだ一般に知られることは殆どありませんでした。

ベンチャー企業が次々と参入

潮目が変わったのは、2011年に出版された「AQUAPONIC GARDENING」(アクアポニック・ガーデニング)という一冊の本。著者は、THE AQUAPONIC SOURCEの経営者でもある、シルビアさん(2015年11月にColorado Aquaponicsへ事業売却) 。弊社のパートナーでもあり、アクアスプラウト(さかな畑)の共同開発者でもあります。今ではアクアポニックスのバイブル的存在となったこの本によって知名度が増し、その頃を境にベンチャー企業が次々と参入してきました。

世界のキープレイヤーたち

ベンチャー企業により、その可能性が広がったアクアポニックス。大きく分けて次のセグメントが存在します。

・商業用途 (例:閉鎖型大規模農場)
・都市農業 (例:スーパーの屋上にグリーンハウス設置)
・教育用途 (例:小学校、塾などへ教材の販売)
・家庭用途 (例:小型キットの販売)
・園芸介護 (例:中型キットの販売)
・貧困問題 (例:紛争地帯や最貧国でのシステム設置)
・研究機関 (例:バージン諸島大学、ハワイ大学、RMIT大学が世界の研究をリード)

講義では、セグメント別のキープレイヤー(全12社の事例)とそのビジネスの状況について学ぶことで、これからの自分の行動を考えてもらいました。おうち菜園では世界のキープレイヤーたちとネットワークを結び、正しい情報を集め、受講者そして日本へ伝えることで、アクアポニックスの普及を後押ししています。

世界のキープレイヤー(一例)

アクアポニックスの収益構造

代表的な3つのアクアポニックス農場について、各々の初期投資とランニングコストの内訳、1エーカー当たりの売上総利益、ROA(総資産利益率)、投資回収期間などを紹介しました(大変貴重な情報です)。講義では、これらの情報から農場のモデルケースを設定、どれだけの利益が見込めるかについて話しました。

日本のアクアポニックス企業

残念ながら、日本のアクアポニックスは非常に遅れている状況です。日本在住の外国人によって伝えられたものが多く、情報もアップデートされていません。また、アクアポニックス専業の企業も今のところは皆無です。

しかしながら、ここ半年ほど、食品・外食・介護・教育分野を中心に、一部上場企業から中小企業まで問合せがかなり増えており、マーケットリサーチやフィージビリティスタディの依頼もいただけるようになりました。海外の波が日本に届くのも時間の問題なのかもしれません。

日本のアクアポニックス研究

大学の研究では、東京海洋大学が有名ですが、もっと多くの大学・研究機関が興味をもってもらえるよう時間を見つけては微力ながら働きかけを続けています。

アクアポニックスの研究は、農学部と水産学部が協力して進めるのが一番よいのですが、学部間の壁を痛感しているところです。加えて、専門性が高くなればなるほど、その領域から出てもらえず、歯がゆい思いが続いています。日本においては環境学部など環境系の先生方のほうが興味をもってくださることが多いと感じています。

おうち菜園では、来春にハワイ大学と連携した研修ツアーを企画中です。大学では世界最先端の技術を講義してもらい、実際に商業用途として成り立っている民間のアクアポニックス農場をいくつか視察する予定です。詳細が決まったらHPで公開しますのでお楽しみに!

最後に

本講座は、一人でも多くの実践者を増やしたい、正しい情報を伝えたい、との思いからはじまりました。最も確実にアクアポニックス人口を増やせる方法だと思っています。

まだまだ黎明期のアクアポニックス、技術もどんどん進化しています。本場アメリカでインプットを継続してより良いものへ改善していこうと思います。

補足:2019年1月時点においてアクアポニックス・アカデミーは通学コース(2日間集中講座)とオンラインコースの2つがございます。

講座に興味がある方、スケジュールの詳細はこちらからどうぞ。アクアポニックス・アカデミー スケジュール


日本初のアクアポニックス実践マニュアル本
出版しました!

ページ1

<商品について>
タイトル:アクアポニックス実践マニュアル
概  要:アクアポニックスの基礎から実践まで

<目次>
Chapter 1:アクアポニックスとは
Chapter 2:システムデザイン
Chapter 3:システムの組み立て
Chapter 4:水質チェックと循環
Chapter 5:魚の管理
Chapter 6:植物の管理
Chapter 7:魚の健康
Chapter 8:植物の健康
Chapter 9:魚のエサ
Chapter 10:魚について(飼育可能な魚 代表例)
Chapter 11:システム調整とメンテナンス
付録 1:コンパニオンプランツ表
付録 2:栽培可能な植物(代表例)

試し読み・購入ページはこちら

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<アクアポニックス商品(サービス)のご案内>

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