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アクアポニックス養殖魚の種類【完全版】メダカからチョウザメまで

研究開発

アクアポニックスをはじめたい人
「アクアポニックスを始めたいけど、どんな魚が育てられるの?」
「事業用と家庭用では育てる魚も違うの?」
「価格、購入先、注意事項も知りたい」

このブログでは、そんな疑問にお答えします。

√本記事の内容

● ビジネス用アクアポニックスで育てる養殖魚の種類【10選】
1.ティラピア
2.ナマズ
3.コイ
4.マス
5.チョウザメ
6.ドジョウ
7.ホンモロコ
8.ウナギ
9.ヒラメ(海水魚)
10.オニテナガエビ

● 趣味用アクアポニックスで育てる観賞魚の種類【6選】
1.金魚
2.錦鯉
3.タナゴ
4.メダカ
5.ドジョウ
6.グッピー(熱帯魚)

● コケを食べて水槽を掃除してくれる生き物の種類【4選】
1.ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ
2.オトシンクルス、オトシンネグロ
3.プレコ(タイガープレコ)
4.石巻貝

√この記事を書いている私の経歴

・Amazonを辞めて株式会社アクポニを起業
・自社のアクアポニックス研究農場&生産農場を神奈川県藤沢市に開設
・収穫量が7倍以上、LED電気代が半額になる縦型栽培システム「水耕タワー」を発売
・世界で初めてアクアポニックスに特化した生産管理アプリ&センサーをリリース
過去2年間で30以上のアクアポニックス農園を全国に開設(日本最大規模を含む)
・著書:「はじめてのアクアポニックス」

アクアポニックス養殖魚の種類【完全版】メダカからチョウザメまで

今回はアクアポニックスで育てることができる魚について解説します。
個々の魚を紹介する前に、少しだけ補足説明させてください。

現在、商業アクアポニックスで養殖される魚は、ティラピア、ナマズ、コイが多いです。

このように魚の選択が偏りがちになるのには、理由があります。

その理由とは、アクアポニックスの成り立ちに起因します。

アクアポニックスは、魚・微生物・植物の3者が共生環境をつくり、その生態系の循環のなかで作物が育ちます。すなわち、3者が快適に過ごせる環境を整えることがとても大事です。

植物や魚は種類を選べます。例えば、暖かい温度を好む植物、冷たい水を好む魚など。

しかし、微生物は選ぶことができません。従って、アクアポニックスの最適環境とは、必然的に微生物の好む温度帯となります。

では、微生物の好む温度帯とはどれくらいなのでしょう?
答えは、約25~30℃です。暖かい温度を好みます。

あくまで最も活発に活動するのが25~30℃で、この範囲から外れると死んでしまうわけではありませんが「18℃以下になると活動が急激に落ちる」と言われています。こうなると、作物の生産性も落ちてしまいます。

こういった理由で、魚・植物・微生物それぞれの最適温度から、アクアポニックスでは通常22~24℃くらいの水温で管理することが多くなります。

従って、魚の選択も、その温度帯でよく育つ魚を選ぶと良いでしょう。ティラピア、ナマズ、コイはまさにぴったりだと言えます。

【補足】最先端の技術により、サーモントラウト等の冷水を好む魚、海水魚なども育てられます。

まずは前提としてこのことを覚えておくと、魚選びの参考になるはずです。
それでは、魚を紹介していきます!

ビジネス用アクアポニックスで育てる養殖魚の種類【10選】

1.ティラピア(いずみ鯛)

● 適温    24〜30℃
● 体長    20~40cm
● 販売単価  1,480円/kg
● 養殖期間  6~8カ月
● 飼料効率  90%(増肉係数:1.1)
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 おうち菜園 ※養殖用価格はお問合せください
● 出荷時期  4月~11月
● 幼魚サイズ 5cm未満

<備考>
アクアポニックスで最も養殖される魚。味も美味しく海外では一般的に食される。2018年よりイオンが海外産ティラピアの販売を開始(321円/100g)。ニロチカ種がサイズ・味ともに良い。1㎥あたり600gサイズ50~80匹育てる。飼育、自家繁殖が容易。寒さに弱く冬にはヒーターが必須。

イオンが台湾産ティラピアの発売を開始

2.ナマズ

Photo via トロピカ

● 適温    15〜30℃
● 体長    30~60cm
● 販売単価  2,000円/kg
● 養殖期間  12~16カ月
● 飼料効率  90%(増肉係数:1.1)
● 食性    肉食
● 飼育難易度 中
● 幼魚価格  70円程/匹
● 出荷時期  5~6月
● 幼魚サイズ 5cm程

<備考>
海外では一般的に食される魚。日本では近畿大学が「ウナギ味のナマズ」を開発する等、ウナギの代用として注目が集まっている。底生生活をおくるため、1㎥あたり1kgサイズ15~20匹程と密度を広くする。幼魚の段階では共食いに注意する。

3.コイ

Photo via Pinterest

● 適温    8~30℃
● 体長    15~60cm
● 販売単価  1,140円/kg
● 養殖期間  10カ月
● 飼料効率  60%(増肉係数:1.7)
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 各県の内水面水産試験場

<備考>
日本でも古くから食されてきた魚。水温や水質変化に強く飼育が容易。コスト、労力もかからず趣味用にも向く。似た品種として、金魚や錦鯉は観賞用、ヘラブナは釣堀用として育てられる。1㎥あたり1kgサイズを30~40匹育てる。

4.ニジマス

● 適温    7~20℃
● 体長    20~30cm
● 販売単価  1,080円/kg
● 養殖期間  12カ月 塩焼きサイズ(120~150g)
2年目 ムニエルサイズ(400g)
3年目 刺身や燻製(1㎏)
● 飼料効率  77%(増肉係数:1.3)
● 食性    肉食
● 飼育難易度 中
● 幼魚入手先 あづま養魚場(50円~/匹)、各県の内水面水産試験場
● 出荷時期  9月~3月下旬

<備考>
養殖魚として人気のある魚。味も美味。サーモントラウトとは大型化した養殖マスの商品名。冷水を好みアクアポニックスで育てる場合はチラー設備が必須。De-coupledシステムを用いることが多い。
※De-coupledシステムとは、アクアポニックスで魚と植物間で水を循環させないシステムの総称。

5.チョウザメ

● 適温    6℃~27℃
● 体長    1m前後
● 販売単価  市況データ無し
● 養殖期間  12カ月~:魚肉として(1㎏~)
7年目~:キャビアとして(体重10kgの一匹から約1kgのキャビア)
● 飼料効率  100%(増肉係数:1)
● 食性    肉食
● 飼育難易度 中
● 幼魚入手先 廣島蝶鮫フジキン ※価格はお問合せください
● 出荷時期  4~7月頃

<備考>
近年キャビア目的の養殖が盛ん。魚肉も美味。1年目のみ死亡率が高いがその後の飼育は容易。キャビアは7年目以降の採取となるため投資先行型。アクアポニックスで養殖する場合、(水温を一定に保つアクアポニックスでは)良質なキャビア採取は極めて難しいことに注意する。

6.ドジョウ

Photo via 安来市観光協会

● 適温    20~28℃
● 体長    5.5㎝~(5g)
● 販売単価  2,160円/kg
● 養殖期間  2ヵ月
● 飼料効率  60%(増肉係数:1.7)
● 食性    雑食
● 飼育難易度 中
● 幼魚入手先 おうち菜園 ※養殖用価格はお問合せください
● 出荷時期  年中出荷可能(11月~6月は発送までに時間を要します)
● 幼魚サイズ 2~5cm

<備考>
カルシウム、ビタミンが豊富で昔から食されてきた魚。水温変化に強く5~30℃まで耐えられる。泥を使わない養殖法は一般的ではないものの成功事例は多い。サイズ(体重)で売り先や単価が変わる。ウナギほどではないが、淡水魚の中では単価の高い魚のひとつ。1㎡あたり6gサイズ約1,600匹育てる。

7.ホンモロコ

Photo via 魚類図鑑

● 適温    10~29℃
● 体長    10cm~(6g)
● 販売単価  3,000円/kg
● 養殖期間  6~7カ月
● 飼料効率  60%(増肉係数:1.7)
● 食性    雑食
● 飼育難易度 中
● 幼魚入手先 各県の内水面水産試験場で卵を入手

<備考>
コイ科魚類の中で最も美味とされる高級魚。塩焼き、天ぷら、南蛮漬け、佃煮などで食す。通常は休耕田などで粗放的に育てられる。産卵床を用意してあげることで採卵も可能。100Lあたり6gサイズ約300匹育てる。

8.ウナギ

● 適温    20~31℃(養殖の最適温は27~31℃)
● 体長    60~80㎝(200~250g)
● 販売単価  4,880円/kg
● 養殖期間  7~18カ月
● 飼料効率  70%(増肉係数:1.4)
● 食性    肉食
● 飼育難易度 高
● 幼魚入手先 各県の内水面水産試験場

<備考>
高単価の養殖代表魚。ウナギ資源の持続的利用を確保するため2015年よりウナギ養殖業が水産庁の許可制となり、数量割当が課されるようになったこと、現在のシラスが4百万円/kgと非常に高額なことの2点から、新規参入は極めて困難な状況。

9.ヒラメ(海水魚)

● 適温    18~25℃
● 体長    35~45㎝(800~1,000g)
● 販売単価  1,600円/kg(活ヒラメは2,360円/kg)
● 養殖期間  12カ月
● 飼料効率  90%(増肉係数:1.1)
● 食性    肉食
● 飼育難易度 高
● 幼魚入手先 株式会社アーマリン近大、各県の海洋水産試験場
※価格はお問合せください

<備考>
底生生活するヒラメは、従来の網いけすでは死亡率が高く、現在は主に陸上養殖で育てる。アクアポニックスで養殖する場合、海水を25%程に薄めて使用し、耐塩性のある野菜(スイスチャード、アイスプランツ等)を育てる。海水魚を用いた大規模商用農場の栽培技術は未確立のため、試験栽培からはじめる必要があることに注意する。

10.オニテナガエビ

Photo via dagaya.com

● 適温    25~30℃
● 体長    25~30cm
● 販売単価  2,000~5,000円/kg
● 養殖期間  9~12カ月
● 飼料効率  28%(増肉係数:3.5)
● 食性    雑食
● 飼育難易度 高
● 幼魚入手先 ヒューネクト株式会社相馬えび等養殖組合
※価格はお問合せください

<備考>
東南アジアなどで養殖される大型淡水エビ。釣ったエビをすぐに食べる専用の釣堀が人気。低水温に弱く、共食いをしやすいため養殖密度を低く保つ。アクアポニックスで養殖する場合、オニテナガエビだけでは植物に十分な栄養を供給できないため(水槽を分けて)魚も同時に養殖する必要があることに注意する。

ビジネス用の養殖魚 まとめ

養殖した魚を販売する場合、その用途は食用だけに限りません。実際には、観賞、釣堀、実験など様々なニーズがあります。このニーズの把握は、何よりも大切です。

「どういった魚にどんなニーズがあるか」を把握することに努め、“自分が育てたい魚”を選ぶのではなく、“売れる魚”を選択しましょう。

農場設置は下記を参照のうえお問合せください。(画像をクリックすると詳細ページに飛びます)

【各データの補足説明】

※販売単価は、食用として東京都中央卸売市場へ出荷した場合の2018年平均価格。東京都中央卸売市場の市場統計情報2018にデータが無い魚は、生産者や水産試験場へヒアリングを実施しました。

東京都中央卸売市場の市場統計情報2018 単価(円)/kg

※適温は、飼育可能な水温帯を記載。飼育可能な水温帯のなかに最も成長に良いとされる最適温度があります。
※飼料効率とは、与えた飼料がどれだけ魚の体重を増やしたかを示す値。
※増肉係数とは、1キロ太らせるために必要な飼料(餌)の量を示す値。 例えば飼料効率が「1.5」なら1キロ太らせるのに1.5kg、「3」なら3kgの飼料が必要です。
※幼魚入手先は、まず県の内水面水産試験場へ問合わせください。魚種次第ですが、幼魚や育て方について詳しい情報を得ることができます。
※食性は、肉食と雑食に分かれます。一般的に飼料代は雑食のほうが安くなります。
※飼育の難易度は、低、中、高の3段階で示しています。弊社の経験および生産者、水産試験場へのヒアリングにより総合的に判断しています。
※データの参考文献、ヒアリング先は記事の最後に記載しています。

趣味用アクアポニックスで育てる観賞魚の種類【6選】

1.金魚

● 適温    10〜26℃
● 体長    3〜15cm程
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(220円~/円)※品種別にまとめています

<備考>
小型アクアポニックスでは最も育てられている魚。寒さや水質変化に強く非常に飼いやすい。多くの品種があり鑑賞性も高い。温和な性格でドジョウやヒナハゼ、ヌマエビ、タニシ等と混泳が可能。小さなヌマエビは捕食される場合もあるため隠れ場所を作るとよい。強い水流に弱いので注意する。

2.錦鯉

Photo via クックビズ

● 適温    8~30℃
● 体長    10~80㎝程
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(600円~/匹)

<備考>
中型アクアポニックスでは最も育てられている魚。コイを観賞用に改良したもので日本の国魚。水質変化に強く非常に飼いやすい。寒さにも耐えられるので、屋外でのアクアポニックスにも向いている。紅白、大正三色など多くの品種があり、長寿で大きく育つことから長く飼育を楽しめる。温和な性格で他の錦鯉や、中型程度の日本淡水魚などと混泳が可能。

3.タナゴ

Photo via charm

● 適温    5〜25℃
● 体長    4〜8cm
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(200円~/匹)

<備考>
オスの婚姻色がとても美しい魚。寒さや水質変化に強く非常に飼いやすい。性質は温和で同種間ではやや小競り合いするがそれほど問題は無い。ドジョウやヒナハゼ、ヌマエビ、タニシ等と混泳が可能。水草を入れると食べてしまうので注意する。

4.メダカ

Photo via charm

● 適温    5〜28℃
● 体長    3〜4cm
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(20円~/匹)

<備考>
寒さや水質変化に強く非常に飼いやすい。ヒメダカ、クロメダカ、シロメダカなど多くの品種がある。ドジョウやヒナハゼ、ヌマエビ、タニシ等と混泳が可能。肉食性の強い魚との混泳を避けること、強い水流に弱いことに注意する。

5.ドジョウ

Photo via charm

● 適温    5〜30℃
● 体長    〜13cm
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(240円~/匹)

<備考>
寒さや水質変化に強く非常に飼いやすい。砂利につくコケや、底に沈んだエサの食べ残しを食べてくれる。温和な性格で、金魚やメダカなどの小型魚、ヌマエビ、タニシ等と混泳が可能。

6.熱帯魚(グッピー)

Photo via charm

● 適温    20〜28℃
● 体長    オス3~4cm、メス4~6cm
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(160円~/匹)

<備考>
熱帯魚の代表的種。優雅で美しいヒレを楽しめる。飼育、繁殖が容易。コリドラスやオトシンクルス等、体長が同程度で温和な種とは混泳が可能。繁殖力が強く、卵ではなく幼魚を産む。ヒーターが必須となることに注意する。

趣味用の観賞魚 まとめ

趣味用アクアポニックスは、大きく室内と室外(庭やベランダ)に分かれます。

【室内】
市販の小型キット等で観賞魚を育てます。この場合、万能ネギやシソ等のちょっとしたシーズニング野菜や、ミントやイタリアンパセリ等のハーブを育てられます。

【室外】
中型のDIYシステム等を用いて、観賞魚または食用の魚を育てます。小型キットと比べて植物の品種と量がグッと増えます。例えば、ベランダに置けるくらいのサイズ(90×60㎝)だと、2日ごとにリーフレタス1株が食べられます。

「観賞魚にシーズニング野菜を育ててもらう」
「ベランダで生態系を感じながら野菜を自給する」
「自宅で魚まで養殖する」
そういった色々なアクアポニックスタイルが生まれると面白いですね。

紹介した観賞魚は下記のキットで育てることができます。
参考»世界で最も売れている家庭用キット【アクアスプラウトSV】¥29,800

DIYシステムを作りたい方は下記を参照ください。
参考»「DIYシステムの設計図と作り方」

さて、最後に、コケを食べてくれる生き物を紹介します。
コケが生えることは自然なことですが、外観を損なうため、気になる場合は下記の生き物を用いて対策しましょう。

コケを食べて水槽を掃除してくれる生き物の種類【4選】

1.ヤマトヌマエビ、ミナミヌマエビ

Photo via charm

● 適温    20~28℃(10~28℃)※()内はミナミヌマエビ。以下同様。
● 体長    オス3~4cm、メス4~6cm(~3㎝)
● 食性    雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 ヤマトヌマエビ(35円~/匹)
ミナミヌマエビ(20円~/匹)

<備考>
藻類や魚の食べ残しを食べ、コケ取りとして非常に有能。数匹を水槽に入れるとコケ予防に確実に効果が見られる。丈夫で、水質への順応能力が高い。小型魚であれば混泳が可能だが、中型以上の魚では食べられるので注意する。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの違いは、ヤマトヌマエビは体が大きくコケ取り能力が高いため数が少なくて済む。一方ミナミヌマエビは寒さに強く、水槽内での繁殖が可能。また水槽内の環境によって、体色に赤味や青味が表れ、色彩のバラエティも楽しめる。

2.オトシンクルス、オトシンネグロ

Photo via charm

● 適温    20~28℃
● 体長    ~5cm(~4㎝)※()内はオトシンネグロ
● 食性    草食性の強い雑食
● 飼育難易度 中
● 幼魚入手先 オトシンクルス(300円~/匹)
オトシンネグロ(420円~/匹)

<備考>
小型ナマズの仲間でコケ取り魚として最も有名な魚。水槽壁面や底石の茶ゴケに対して非常に効果的。小型で温和な種であれば混泳が可能。熱帯魚なのでヒーターが必須となること、水質や水温の変化にデリケートなことに注意する。
オトシンクルスとオトシンネグロに大きな違いは無く、オトシンネグロがややスレンダーな体型で、水槽内での繁殖が可能という程度。

3.プレコ(タイガープレコ)

Photo via charm

● 適温    20〜28℃
● 体長    ~8cm
● 食性    草食性の強い雑食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(1000円~/匹)

<備考>
コケ取りとして人気の小型プレコ。成魚でもそれほど大きくならず、水質変化に強く飼育も容易。温和で体長が同程度であれば混泳が可能。熱帯魚なのでヒーターが必須となることに注意する。

4.石巻貝

Photo via charm

● 適温    10〜28℃
● 最大殻径  2cm
● 食性    草食
● 飼育難易度 低
● 幼魚入手先 チャーム(60円~/匹)

<備考>
コケ取り能力が高いことから人気の種。水槽壁面のコケをきれいに削って食べる。水質、水温、水質変化に強く飼育が容易。淡水では繁殖できないため殖えすぎて困ることも無い。コイやティラピア等の大型魚で無ければ混泳が可能。

魚の種類やエサで野菜の味は変わる?

結論から言うと、魚の種類やエサで野菜の味は変わりません。
アクアポニックスは魚の排泄物から発生するアンモニアを分解し、野菜の栄養素とします。フンそのものを堆肥化しているわけではないんですね。フンをした魚の種類は違っても、アンモニアには変わりないですから、味にも変化はないということです。

ただ、アクアポニックスにおいて全く関係がないかというと、そうではありません。
ティラピアやコイなどは非常に食欲旺盛で、その分たくさん排泄物も出します。そのため、植物にとっての栄養素も多く供給され、結果的においしい野菜ができるようになります。

また、少し話は変わりますが、エサを工夫することでより美味しい魚を作ることもできます。
最近では、みかんやすだちなど柑橘類を乾燥・粉末にしたものを含んだエサを食べた魚が販売されていたりします。(回転寿司などでもたまに見かけますね)
柑橘類の影響で臭みが少なくなることで商品価値を高めたり、これまで未利用魚だったものを食用として出荷することも出来るようになっています。

アクアポニックスで育てた魚はもともと臭みが少ないですが、日本の進んだ養殖技術と組み合わせることで、さらに美味しい魚を育てらるかもしれません。

まとめ

今回はアクアポニックスで用いる魚たちについてビジネス用(養殖魚)と趣味用(観賞魚)に分けて紹介しました。参考になればうれしいです。

魚以外でも、亀やカエルでアクアポニックスしている強者もいます。いろいろと試してみるのも楽しいですね。

余談ですが、私の実家は魚屋で、育てるのも、食べるのも、釣るのも、とにかく魚が大好きです。

アクアポニックスに興味を持ったのも、アマゾンにいるピラルクという魚がはじまりでした笑。

ペットとして飼育される場合は、最後まで飼ってあげてくださいね。川や池への放流はやめましょう。

参考文献:
養魚の現状 東京大学農学部 大島泰雄
水生生物保全に係る水質目標について(2002) 環境庁水質保全局
東京都中央卸売市場の市場統計情報(2018)
Aquaculture in the Third Millennium 国際連合食糧農業機関
Environmental Research Letters © 2018 The Author(s). Published by IOP Publishing Ltd

ヒアリング:
千葉県水産総合研究センター
宮崎県水産試験場
柿沼養魚場
牧原養鰻
ふる里養魚場
株式会社アクアテック

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