アクアポニックスとSDGs
GOAL1
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
該当するターゲット
1.1
2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.5
2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
該当する指標
1.1.1
国際的な貧困ラインを下回って生活している人口の割合(性別、年齢、雇用形態、地理的ロケーション(都市/地方)別)
1.5.3
仙台防災枠組み2015-2030に沿った国家レベルの防災戦略を採択し実行している国の数
1.5.4
国家防災戦略に沿った地方レベルの防災戦略を採択し実行している地方政府の割合
GOAL
1
アクアポニックスで貢献できること
アクアポニックスは資源循環型で、化学肥料・農薬を使用しない。また、労力が軽減される技術であるため、性別や年齢を問わず働くことができる。世界的な人口増加、気候変動、水不足、耕作面積の減少に直面するなか、農業と養殖が統合された生産技術の開発は経済成長を支える。(FAO国際連合食糧農業機関のHPより抜粋)
【FAO国際連合食料農業機関】
http://www.fao.org/in-action/globefish/publications/details-publication/en/c/338354/
GOAL2
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
該当するターゲット
2.1
2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
2.3
2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
2.4
2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
該当する指標
2.1.2
食料不安の経験尺度(FIES)に基づく、中程度又は重度な食料不安の蔓延度
2.3.1
農業/牧畜/林業企業規模の分類ごとの労働単位あたり生産額
2.3.2
小規模食料生産者の平均的な収入(性別、先住民・非先住民の別)
2.4.1
生産的で持続可能な農業の下に行われる農業地域の割合
GOAL
2
アクアポニックスで貢献できること
アクアポニックスは特にこれまで水不足や土壌劣化により農業が困難であった地域においても食料自給を可能とし、食料安全保障に貢献します。
GOAL4
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
該当するターゲット
4.7
2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
該当する指標
4.7.1
ジェンダー平等および人権を含む、(i)地球市民教育、及び(ii)持続可能な開発のための教育が、(a)各国の教育政策、(b) カリキュラム、(c) 教師の教育、及び(d)児童・生徒・学生の達成度評価に関して、全ての教育段階において主流化されているレベル
GOAL
4
アクアポニックスで貢献できること
アクアポニックスをとおして、食品の生産・流通過程における資源循環を体感できる。またアメリカでは初等・中等教育におけるSTEM教育の教材として利用され、科目を超えて横断的に、体験型・創造型教育が行われている。
GOAL6
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
該当するターゲット
6.3
2030年までに、汚染の減少、投棄の廃絶と有害な化学物・物質の放出の最小化、未処理の排水の割合半減及び再生利用と安全な再利用の世界的規模で大幅に増加させることにより、水質を改善する。
6.4
2030年までに、全セクターにおいて水利用の効率を大幅に改善し、淡水の持続可能な採取及び供給を確保し水不足に対処するとともに、水不足に悩む人々の数を大幅に減少させる。
6.6
2020年までに、山地、森林、湿地、河川、帯水層、湖沼を含む水に関連する生態系の保護・回復を行う。
6.b
水と衛生に関わる分野の管理向上における地域コミュニティの参加を支援・強化する。
該当する指標
6.3.1
安全に処理された排水の割合
6.3.2
良好な水質を持つ水域の割合
6.4.1
水の利用効率の経時変化
6.6.1
水関連生態系範囲の経時変化
6.b.1
上下水道管理への地方コミュニティの参加のために制定し、運営されている政策及び手続のある地方公共団体の割合
GOAL
6
アクアポニックスで貢献できること
アクアポニックスは閉鎖式循環システムであり、水の利用効率が極めて高い。水処理の工程は下水処理場と同じく➀物理ろ過→②生物ろ過→③脱窒と3次処理まで行う。有害化学物質を使用せず、川や海の生態系の保護・回復につながる。
GOAL8
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
該当するターゲット
8.4
2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
8.5
2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。
8.6
2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
8.9
2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
該当する指標
8.4.1
マテリアルフットプリント(MF)、一人当たりMF及びGDP当たりのMF
8.4.2
天然資源等消費量(DMC)、一人当たりのDMC及びGDP当たりのDMC
8.5.1
女性及び男性労働者の平均時給(職業、年齢、障害者別)
8.5.2
失業率(性別、年齢、障害者別)
8.6.1
就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない15~24歳の若者の割合
8.9.1
全GDP及びGDP成長率に占める割合としての観光業の直接GDP
8.9.2
全観光業における従業員数に占める持続可能な観光業の従業員数の割合
GOAL
8
アクアポニックスで貢献できること
従来の農業との最も大きな違いは、農場で魚を飼育する点。これにより生態系の循環を視覚で認知できる。「思いやる心が育つ」「自己肯定感が培われる」「科学的興味が高まる」「生命尊重と責任感が生まれる」「ストレスや怒りなどネガティブ思考が下がる」等の効果が期待できる。
GOAL9
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
該当するターゲット
9.4
2030年までに、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大を通じたインフラ改良や産業改善により、持続可能性を向上させる。全ての国々は各国の能力に応じた取組を行う。
9.b
産業の多様化や商品への付加価値創造などに資する政策環境の確保などを通じて、開発途上国の国内における技術開発、研究及びイノベーションを支援する。
該当する指標
9.4.1
付加価値の単位当たりのCO2排出量
9.b.1
全付加価値における中位並びに先端テクノロジー産業の付加価値の割合
GOAL
9
アクアポニックスで貢献できること
IoT技術は人件費や生産管理コストの改善を目的として、センサーやカメラを活用した生産管理・監視に採用される。※弊社ではアクアポニックス特化型の生産管理アプリ(人が行う作業と環境データの2つを記録分析)を開発
GOAL11
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
該当するターゲット
11.7
2030年までに、女性、子供、高齢者及び障害者を含め、人々に安全で包摂的かつ利用が容易な緑地や公共スペースへの普遍的アクセスを提供する。
11.b
2020年までに、包含、資源効率、気候変動の緩和と適応、災害に対する強靱さ(レジリエンス)を目指す総合的政策及び計画を導入・実施した都市及び人間居住地の件数を大幅に増加させ、仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルでの総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う。
該当する指標
11.7.1
各都市部の建物密集区域における公共スペースの割合の平均(性別、年齢、障害者別)
1.5.3
仙台防災枠組み2015-2030に沿った国家レベルの防災戦略を採択し実行している国の数
1.5.4
国家防災戦略に沿った地方レベルの防災戦略を採択し実行している地方政府の割合
GOAL
11
アクアポニックスで貢献できること
小規模分散化されたアクアポニックスは地産地消の都市農業を促進させる。年齢、性別、障害に関わりなく利用できるコミュニティファームとしての活用から、災害時には食料庫・給水タンク・避難所として機能する防災拠点となる。
GOAL12
持続可能な生産消費形態を確保する
該当するターゲット
12.2
2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
12.3
2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。
12.4
2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。
12.5
2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
12.8
2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。
12.b
雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。
該当する指標
12.2.1
マテリアルフットプリント(MF)、一人当たりMF及びGDP当たりのMF
8.4.2
天然資源等消費量(DMC)、一人当たりのDMC及びGDP当たりのDMC
12.3.1
A) 食料損耗指数、及び b) 食料廃棄指数
12.4.1
有害廃棄物や他の化学物質に関する国際多国間環境協定で求められる情報の提供(報告)の義務を果たしている締約国の数
12.4.2
有害廃棄物の1人当たり発生量、処理された有害廃棄物の割合(処理手法ごと)
12.5.1
各国の再生利用率、リサイクルされた物質のトン数
12.8.1
気候変動教育を含む、(i)地球市民教育、及び(ii)持続可能な開発のための教育が、(a)各国の教育政策、(b) カリキュラム、(c) 教師の教育、及び(d)児童・生徒・学生の達成度評価に関して、全ての教育段階において主流化されているレベル
12.b.1
承認された評価監視ツールのある持続可能な観光戦略や政策、実施された行動計画の数
GOAL
12
アクアポニックスで貢献できること
つくる責任
従来の農業で使用される肥料の多くが鉱物由来であるのに対し、アクアポニックスは魚のフンが循環利用される。また、消耗品である魚の餌や育苗資材においても、より環境に優しい原料を選択することで、マテリアルフットプリント(資源の採掘量)に貢献できる。
つかう責任
面積の利用効率が高く省スペースで行えるアクアポニックスは、消費者に近い都市近郊で食料生産を可能とする。地産地消によりサプライチェーンが短く効率化され、脱炭素および食料廃棄ロスにつながる。
GOAL13
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
該当するターゲット
13.1
全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。
13.2
気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13.3
気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教 育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
13.b
後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。
該当する指標
13.1.2
仙台防災枠組み2015-2030に沿った国家レベルの防災戦略を採択し実行している国の数
13.1.3
国家防災戦略に沿った地方レベルの防災戦略を採択し実行している地方政府の割合
13.2.1
気候変動の悪影響に適応し、食料生産を脅かさない方法で、気候強靱性や温室効果ガスの低排出型の発展を促進するための能力を増加させる統合的な政策/戦略/計画(国の適応計画、国が決定する貢献、国別報告書、隔年更新報告書その他を含む)の確立又は運用を報告している国の数
13.3.1
緩和、適応、影響軽減及び早期警戒を、初等、中等及び高等教育のカリキュラムに組み込んでいる国の数
13.b.1
女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上させるメカニズムのために、専門的なサポートを受けている後発開発途上国や小島嶼開発途上国の数及び財政、技術、能力構築を含む支援総額
GOAL
13
アクアポニックスで貢献できること
アクアポニックスが脱炭素に貢献できる点の一つとして、肥料生産・輸送に要するエネルギー削減が挙げられる。従来の農業で使用される肥料は、農場から離れた地域・国で原料を採取、加工・パッケージング・店頭販売を経て生産者に届くまでに複数の生産工程とトラック輸送が発生するのに対し、アクアポニックスでは野菜と同じ施設内で飼育される魚のフンが循環利用される。
GOAL14
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
該当するターゲット
14.4
水産資源を、実現可能な最短期間で少なくとも各資源の生物学的特性によって定められる最大持続生産量のレベルまで回復させるため、2020年までに、漁獲を効果的に規制し、過剰漁業や違法・無報告・無規制(IUU)漁業及び破壊的な漁業慣行を終了し、科学的な管理計画を実施する。
14.7
2030年までに、漁業、水産養殖及び観光の持続可能な管理などを通じ、小島嶼開発途上国及び後発開発途上国の海洋資源の持続的な利用による経済的便益を増大させる。
該当する指標
14.4.1
生物学的に持続可能なレベルの水産資源の割合
14.7.1
小島嶼開発途上国、後発開発途上国及び全ての国々のGDPに占める持続可能な漁業の割合
GOAL
14
アクアポニックスで貢献できること
海は川で山とつながっている。海の豊かさを守るため、時には海と陸で横断的な課題認識と対応を要するケースもある。農業と水産業が組み合わさったアクアポニックスは生態系がバランスすることで成り立ち、”小さな地球”と呼ばれる。アクアポニックスを知ることは地球について考えることであり、アクアポニックス(閉鎖循環式陸上養殖)を行うことは海洋資源の保全につながる。
GOAL15
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
該当するターゲット
15.1
2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。
15.3
2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。
15.5
自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。
該当する指標
15.1.1
土地全体に対する森林の割合
15.3.1
土地全体のうち劣化した土地の割合
15.5.1
レッドリスト指数
GOAL
15
アクアポニックスで貢献できること
アクアポニックスは循環型であるため、蓄積することで土壌・地下水の汚染につながる硝酸態窒素が流出しない。そのため土壌や水の劣化がなく、農地や養殖池の持続可能な利用を可能とする。また、有害化学物質を使用しないため、生物多様性の損失を阻止、生態系の保護・回復につながる。